長い!あっという間!

はい。ということで4月23日にレオ様(今も呼ばれてるかわからん)の新作「レヴェナント: 蘇えりし者」を見てまいりました。

本作は、アメリカ西部開拓時代に実在した罠猟師ヒュー・グラスの半生と復讐劇を描いた小説『蘇った亡霊:ある復讐の物語』(マイケル・パンク著)を映画化した作品。

予告編見た人はわかる通り、クマに襲われて死にかけの男となったグラスが、仲間に見捨てられ、子どもを殺され、死に物狂いで復讐を目指す、というストーリー(ざっくり)です。2時間30分以上に渡る長尺とあって、ゆったりと、しかし確実に物語が進行していきます。長尺映画の宿命であると思うのですが、 若干テンポは悪いかな、と感じました。そもそも子どもが死んで、トム・ハーディ扮するジョン・フィッツジェラルドをグラスが追いかけるようになるまで約1時間程度かかります。そのため、トム・ハーディにYAHYAHYAHだけしに行くのかな?と思って見ていると、少し肩透かしを食らう人もいるかもしれません。それにガッツリした戦闘シーンは序盤と終盤(終盤の戦闘素晴らしい)だけなのでアクションが見たい!という人にはあまりオススメできないかも。責任とれないので。

復讐だけしないならなんなのか、というところになるのですが、 この作品はグラスだけの復讐が描かれるわけではありません。というのも、「レヴェナント」の舞台設定は1800年代、西部開拓時代の話ですから、原住民が数多く登場します。ネイティブアメリカン、とひとくくりにされる彼らではありますが、白人と協力する者や敵対的な種族が存在しており、本作のメインプロットの中には白人に娘をさらわれた「アリカワ族」の復讐も描かれています。そしてアリカワ族は、そのさらわれた娘を取り戻すべく、グラスら白人を追うわけですね。まあ、娘を連れ去ったのはグラスたちではないのですが。

また、復讐に至るまでのサバイバル生活にもかなりの時間が割かれており、喉元の傷口に火薬を塗り込み発火させたり、臓物を生で食べたり、馬の腹をかっさばいて"中"で一夜を明かしたり(スター・ウォーズ見たくなった)と、なにがなんでも生き残って復讐を遂げるというグラスの執念が感じ取れます。グラスを演じたディカプリオがようやくオスカーを取れたことも話題となったが、率直に言って、「レオ様マジずげえ」とクマに襲われたシーンくらいからずっと思っていました。

ようは、復讐劇でありながら、サバイバル映画でもあるということですね。一方で、当時のアメリカ社会では尊重されないネイティブアメリカンの血と容姿を受け継ぐ息子ホークを守ろうとするなど、グラスの父としての描写も数多く入ることから、父親の映画でもあると言えるかもしれません。レオ様マジダディ。


ほかにも雄大すぎる景色は一見の価値あり。美しいというよりかは荘厳、と言って差し支えないほどの自然をキッチリ描いていますし、 撮影監督を務めたエマニュエル・ルベツキのカメラワークが、自然は過酷なものなんだ、という説得力を付け加えていました。さらに、木々の揺らめき、風、川、雪解け、吹雪、すべての音がとても印象的でした。もちろん、坂本龍一とアルヴァ・ノトの音楽も静かでありながら要所要所に映像を盛り立てる楽曲ばかりですよ。日本のプロモーションで坂本龍一だけが音楽やってるみたいなあのCMはちょっと気に食わないですが。音楽は確かに素晴らしいですが、別に誰が音楽やろうが見てましたよ僕は。音楽のすばらしさを例えるなら…「ラスト・オブ・アス」に近い…と言おうと思ったけどやめた。音楽の作り方からして違うし。グスターボ・サンタオラヤ万歳。

話が脱線しました。ふー。…この記事の序盤部分で、テンポが悪い、と書きましたが、上映時間はあっという間に過ぎます。え、もうこんな時間経ったの?と思うくらい早いです。別段いらないよなこれ、というサバイバル描写があっただけで、作品そのものはとても面白いので心配ご無用です。クマの戦いすごいですよ。というかこれに限らず、全編通して、体に力が入りまくる入りまくる。寒そうなアメリカ北西部とは裏腹にすごい手に汗握る熱くなれる映画でした。